[背表紙より]
| 親友の恋人を手に入れるために、俺はいったい何をしたのだろうか。 「本当の過去」を取り戻すため、「記憶」と「真実」のはざまを辿る敦賀崇史。 錯綜する世界の向こうに潜む闇、一つの疑問が、さらなる謎を生む。 精緻な伏線、意表をつく展開、ついに解き明かされる驚愕の真実とは!? |
最近、東野圭吾にはまっていていろいろ読んでいますが、やっぱりこの人はすごい。
どうしてこういう話が書けるんでしょう?
この物語は、以前読んだ「変身」と系統的には同じで、人の[記憶]に関するお話。
今回は「記憶の改編」がテーマ。
小説の構成がとても斬新で、ヒロインの麻由子が
◇主人公崇史の恋人
◇主人公の親友の智彦の恋人
というシーンが交互に登場します。
そういう三角関係に悩む登場人物のラブストーリーでもあり。
そして、いったいどちらの[記憶]が正しいのか、なぜこんなことになっているのか、を探るミステリーでもあり。
一粒で二度おいしい、です。
そして、「記憶の改編」に関する話も、なんか記述が科学的でほんとにこんな話もありそうだよな〜って、怖いですね。
妙にリアルなのは、作者が理系大学を卒業し、エンジニアとして働いていたからなのかな?
仮想現実・仮想記憶に関する展開はちょっと難しかったけど、まあ、理系が苦手な私でも苦痛ではなかったです。
人の記憶とはいったい?ということをとても考えさせられます。
記憶のメカニズムってよく分からない。
すぐ忘れちゃうこともあるし、かといってず〜っと忘れたくても忘れられないこともあるし。
そして表面的に忘れていた〜って思っても、何か昔の記憶に関連するものを見たり、人にあったりすると、思い出したりもする。
辛い経験をしたりすると、その記憶は消し去っていたり、いつの間にか美化されて記憶していたり。
これらは人間の自己防衛本能なのかね。本の中でもそんなこと言っていたような。
人と人との関係は、こういった曖昧な「記憶」をベースに成り立っているのか、と思うと、不思議なものです。
・・・こういう曖昧なものを補う意味で、写真とか、日記とか「記録」が存在するんだろうな。
さて、この小説、冒頭のシーンがすごく素敵
並行する山手線と京浜東北線で出会う男女・・・。
わずか5ページくらいのシーンなんだけど、ここを読んだだけでかなり「この作品も当たりだな」って思いました。
そしてラストも、ちょっと感動しました。
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